導入事例:長崎労災病院


はじめに

ZedHipは3Dで術前計画を行い、ROMシミュレーションを行うことで、インピンジメントを3Dで視覚的に確認できるソフトである。我々はこのソフトを利用して、2Dでは術前計画が難しい症例に応用している。

  • 骨盤後傾例
  • 脱臼の程度が強い例 (CraweⅢ、Ⅳ)
  • 大腿骨頸部の前捻が強い例 (骨盤前傾例)

今回その有用性について検討したので報告する。

対象

2010年1月から9月までZedHipでシミュレーションを行い、計画された機種を用いた20例を対象とした。
臥位でのfunctional pelvic plane (FPP)のシミュレーションを主に行っているが、立位骨盤後傾例では立位のFPPも予想してシミュレーションを行った。

使用機種

  • Synergy (S&N) 8例
  • Profemur Z (Wright) 11例
  • Profemur TL (Wright) 1例

検討項目

骨盤後傾斜例など実際のシミュレーション

骨盤後傾増大例でのシミュレーション

臥位の機能的骨盤座標系(FPP)でのROMシミュレーション。

(主に屈曲方向をチェック。Flex=90°/ IR=30°)

立位骨盤正面像から予測(土井口法)した仮想立位FPPでのROMシミュレーション。

(主に伸展方向をチェック。Ext=10°/ ER=30°)

・適切なカップ、ステムの設置、ネックの種類、骨頭径を判断する。

~骨盤後傾増大例~

32mm骨頭での可動域シミュレーション

骨盤後傾=7°での可動域シュミレーションを行う。
その際のカップ設置角度は以下の通り。

  • カップ外開き=45°
  • カップ前開き=12°

28mm骨頭での可動域シミュレーション

続いて骨盤後傾=37°での可動域シュミレーションを行う。
その際のカップ設置角度は以下の通り変化。

  • カップ外開き=54°
  • カップ前開き=31°

同条件で32mm骨頭と28mm骨頭でそれぞれインピンジ箇所のシミュレーションを行う。

骨盤前傾例でのシミュレーション

・臥位FPPでのROMシミュレーション。(主に屈曲方向をチェック)

立位と臥位では変化が少ない場合が多い。

・解剖学的骨盤座標系(APP)でのROMシミュレーション。(主に伸展方向をチェック)

術後立位FPPはAPPに近づくため。

・頸部の過前捻がある場合には減捻ネックを用いる。

・適切なカップとステムの設置、ネックの種類と骨頭径を判断する。

~骨盤前傾例~

32mm骨頭 / 8度減捻ネック

まとめ

  • ZedHipを用いてTHAのシミュレーションを行い、その有用性を検討した。
  • ZedHipでは実際に用いられたインプラントとの一致率は高く、特にチェンジャブルネックの計画において有用であった。
  • ZedHipは任意の骨盤座標系を変更し、ROMシミュレーションが出来るため、骨盤後傾例などの術前計画に有用であった。
独立行政法人労働者健康福祉機構 長崎労災病院

股関節外科

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